糸井 重里氏・早野 龍五氏の「知ろうとすること。」を読み、震災に対する自分の考え方や向き合い方を改めて考えてみた。

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ほぼ日刊イトイ新聞でおなじみの糸井 重里(@itoi_shigesato)氏と、物理学者である早野 龍五(@hayano)の対談をまとめた書籍。Twitterのタイムラインで見かけて気になったので、早速書店で購入して読んでみました。頁数は少ないものの、私自身の震災に対する考え方を改めて考えさせてくれる内容だったので、ぜひ紹介したいと思います。

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「事実」の大切さに気づくことができた

東北大震災が起きたとき、私は行き交う情報をただひたすらに追ったり、有益だろうと思うツイートをひたすらすることしかできませんでした。その中には多分にデマ情報も含まれていたと、今となっては思います。一方で、早野氏は「事実」を丁寧に調べて、淡々とツイートを行っていました。

この本を読んだ後で思ったのは、「なんで自分は早野氏のようなアプローチができなかったんだろう?」ということ。

当時の自分を振り返りながら考えてみると、まさに糸井氏があとがきで書かれていた「野次馬」が自分の中で暴れていたからなのだろうなということが分かりました。この時は「事実」がどれほど大切なものなのか、正直なところ見失っていたような気がします。

なによりも、なにをするにも起点になるのは「事実」なのだと強く思いました。いますぐに事実とわかること、そして、のちのちやっぱり事実だったのだと認められること。このふたつを、とにかく目を光らせて探さなくてはなりません。

自分自身に少し失望しながらも、このタイミングで改めて考える機会に出会えたのはとても良かったなというのもあります。もしこの本に出会わないままだったら、「事実」の大切さを意識することのないまま、あらゆる局面で「野次馬」が暴れてしまうだろうなと思いました。ぞっとしますね。

恥ずかしながら知らなかった震災後の情報たち

この本を読むまで、恥ずかしながら知らなかった情報がたくさんありました。簡単にですが、引用してみます。

当時、リスクが高いと思われる地域の方々から測定していたので、事故の直後、放射性のセシウムを吸い込んでしまった人は、確かにいたんです。だけど、その後にセシウムが追加された形跡がなかった。体に取り込まれたセシウムって、ちゃんと体から排出されていくんです。(P75)

事実、ごく最近の調査で、事故後に福島県内で生まれた赤ちゃんの先天異常の発症率が、全国の赤ちゃんと比べてほぼ同じだったということを、厚生労働省が発表しました。(P101)

また、福島県の高校生がCERNを訪れたり、フランスの人たちに放射線に関する調査結果の報告を行ってきたことなど、実は未来へと繋がる一歩が踏み出されていることも知りませんでした。震災から年数が経ちはじめている今だからこそ、今の東北で起こそうとしているアクションをきちんと知っておこうと強く感じました。

今このタイミングで読むからこそ意味のある本

2011年3月11日から、もう3年半が経ちました。東北の復興という言葉も昔ほど使われなくなってきました。昔の記憶になりつつある人もいると思います。

前を向いて歩くことはもちろん大切なのですが、改めて、あのとき何を重要だと考えて、どのように行動したか。それを振り返るにはちょうど良いタイミングなのではないでしょうか。

本書は、ほのぼのとした雰囲気を感じさせる対談になっていますが、内容自体はとても本質的なもので、グサッと刺さります。ぜひ一度読んでみてはどうでしょうか。

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