代償金詐欺の可能性も?「亞書」以外にも次々と見つかる「謎の高額本」

国会図書館への納本制度を巧みに使った新手の詐欺ではないかと話題になっている高額本「亞書」の件、少し調べてみると出るわ出るわ。もっと大きなニュースになっていきそうな予感がします。

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引用元:朝日新聞デジタル 2015/11/1

136万円の「代償金」とは?

国会図書館には、市販本が全て保管されていることは有名ですが、その保管の際に「代償金」という名目で国から出版社へと費用が支払われることについては、殆どの人が知らないはず。

国立図書館のQandAに分かりやすく書かれているので貼っておきます。簡単に言うと、市販本を納本したらその費用として半額持ちますよ、ということ。

Q1:どんなものを納めなければならないのですか?
A1:原則として、頒布を目的として相当部数作成されたすべての出版物です。図書、雑誌・新聞だけでなく、CD、DVD、ビデオ、レコード、楽譜、地図なども対象となります。
また、社史・団体史等の自費出版でも、相当の部数を作成し配布されているものは納本の対象となります。ただし、ホチキス止めなど簡易綴じのもの、広く一般に公開することに支障があるものなどは、納本の対象とはなりません。

Q2:何部納めればよいですか?
A2:納入義務があるのは1部です。ただし、2部目を寄贈いただきますと、原則として、1部目を東京本館で、2部目を関西館で所蔵することとなります。

Q3:どうやって納めればよいですか?
A3:当館までご送付ください。郵送、宅配便のいずれでも可能です。
ご持参される場合は、東京本館西口から入り、南側1階の納本カウンターまでお越しください。(取扱時間:月〜金 9:00〜17:45 祝日・年末年始を除く。)
納入いただいた発行者に対しては、当該出版物の出版及び納入に通常要すべき費用に相当する金額(通常、小売価格の5割と郵送における最低の料金に相当する金額)を代償金として支払うこととなっています。代償金請求の手続については、お問い合わせください。
ご寄贈いただいた場合には、お礼状を送付いたしますので、ご連絡先と寄贈である旨を明記した上でお送りください。企業・団体からご寄贈いただいてお礼状(受領書)が必要な場合は、納入の際にその旨をお知らせください。

Q4:送付する場合のあて先はどこですか?
A4:〒100-8924 東京都千代田区永田町1-10-1 国立国会図書館 収集書誌部 国内資料課 収集第一係

Q5:納本した出版物は、どのように利用されるのですか?
A5:納本された出版物は、図書館資料として登録され、その書誌データが作成されると、国立国会図書館ホームページの「日本全国書誌」に掲載され、NDL-OPAC等で書誌データを検索できるようになります。
書庫に収められた出版物は、国政審議に役立てられるとともに、支部・行政各部門の支部図書館を通じて利用されるほか、来館利用者に対する閲覧・複写サービスや、登録利用者に対するNDL-OPACを通じた遠隔複写サービスに利用されます。(納本された出版物の利用と保存 参照)。

Q6:納本された出版物はいつまで保存されるのですか?
A6:期限はありません。保管に適した環境の書庫で、可能な限り永く保存し、利用に供します。

Q7:書庫はパンクしないのですか?
A7:東京本館・関西館・国際子ども図書館の三つの施設の書庫がパンクしないよう、スペースを有効活用しています。また、書庫の増築についても長期的な計画をもっています。

http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/deposit/qa05.html

怪しい会社、人物が続々と登場。

亞書の出版社である「りすの書房」について調べると、同様の手口で代償金を得たであろう会社、人物が出てくるのです。

■ユダ書院
■佐々木りゝと
■言語別聖書編纂委員会

どれだけググっても、企業サイトやSNS、プレスリリースの類を含めても全く情報が出てきません。出てくるのはAmazon、楽天ブックス、TSUTAYAに並ぶ怪しげな洋書だけ。その価格は60000円〜70000円と高額で、発行巻数も「亞書」とほぼ同じ。

国会図書館への登録はどうか。データベースにしっかり登録されていることが確認できました。会社のWebサイトすら作らないのに、こういう手続きだけ抜かり無く終えているのは、一体どういうことなんでしょう。

大半の人が思っているでしょうけども、1.架空の出版社を立ち上げて、2.高額本を通販サイトで出品、3.その出品実績をもって代償金を得る、を何度か繰り返していたと考えるのが自然ですよねぇ。

とはいえ、数名で行っていたとすると数種類の登録だと割に合わないので、別の書籍でも納本していると考えられます。ということで、国会図書館の人はこれから再チェックで忙しくなると思います。国の資産なので、この辺は厳密にやってもらいたいですが。

関係者は否定していますが、ねぇ。Amazonでの販売実績がどれほどあるのかを提示しないと疑惑は晴れないでしょう。

「ネットの指摘はいわれなき中傷」 「亞書」制作の男性(朝日新聞デジタル 2015/11/1)

今まで誰も考えつかなかった方法ということで、ネットでもかなり話題になっています。これから続々と事実が判明してくると思うので、しばらくウォッチしていきたいと思います。