物書きの苦悩と葛藤がここにある。又吉直樹の最新作『劇場』を読んだ感想。

こんにちは。こてつ(@tepkode)です。又吉直樹さんの最新作「劇場」を読んだので感想をサクッと書いてみます。

演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った―。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまにもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。

参照:Amazon.co.jp

前作「火花」の主人公は売れない芸人で、今回は演劇の脚本家。どちらの作品も、又吉直樹本人をそのまま投影しているんじゃないかと思うくらい生生しい描写になっています。

で、読んだ感想はどうだったかというと、小説として見ると前作の方が完成度が高いし、読んでいて面白かったです。ただ、内容は今作のほうが圧倒的に濃いです。ひたすらに濃い。

僕も上手く言葉にできないのですが・・・

  • 物書きとして理想の演劇を表現し続けているけれど、観客に理解されない。長年一緒にやってきた劇団員も愛想をつかして去っていく。
  • 純粋な気持ちで支え続けてくれる彼女。その眩しさに、行き場のない嫉妬と怒りを覚えてしまい、つい傷つけてしまう。その自分を攻めては苦しむ。

とにかく、読んでいると苦しくなるんです。

主人公の永田が最低な男でそこに腹が立つという点もありますが、読んでいて気持ちの良いものではないので、正直万人にオススメはできないし、火花のイメージで読むと凹むと思う。

ただ、表現者「又吉直樹」の作品を読みたいという人にはオススメします。小説より演劇や映画で表現したほうが良いのかもなぁ。そう感じた作品でした。