それって本当に「働き方改革」ですか?

こんにちは。こてつです。毎日のように「働き方改革」という言葉を耳にしますが、正しく「働き方改革」を理解していないと思うケースも多いです。

このニュースはその一例です。

PCのログイン・ログアウト時刻、キーボードの操作時間、アプリケーション別の利用時間などを社員ごとに集計してグラフで表示する。適正な労務管理と仕事内容の可視化での利用を狙う。

パナソニック、PC使用状況の可視化で働き方改革支援|日本経済新聞

「えっ?」と思いますよね。

この方法で「効率よく仕事ができそう」「残業が減らせそう」と思う人なんていません。むしろ「仕事を監視される」と思うはずです。

企業が平気でこういう仕組みを導入してしまうのは、企業が「働き方改革」を管理側に都合が良くなるように解釈しているからです。

つまりどういうことなのか、もう少し詳しく説明してみたいと思います。

「働き方改革」と「働かせ方改革」は全く別物である。

「働き方改革」という言葉が知られるきっかけになったのは、政府が策定した「働き方改革実行計画」という方針です。

安倍首相の言う「一億総活躍社会」を実現するための主要政策のうちの一つですね。

その計画書の中身を見てみると、働き方改革の意図するものが正しく理解できます。今回は主要な2ページをピックアップしてみました。

▼生産性の向上は、賃上げと連動したものであることが分かります。残業を減らすため”だけ”に必要なのではありません。

▼副業やテレワークの導入も、生活を充実させるためのもの。導入が目的になると管理側の視点が強くなるわけです。

これを読むと分かるように、労働生産性の向上や柔軟な働き方の導入というものは、一人ひとりの生活を充実させるために行われるものなのです。

つまり、働き方改革は働く側の話であって、働かせる側の話ではないということです。

ここを区別しないまま「うちは働き方改革やってます」とアピールする企業が本当に多いのです。

先に挙げたパナソニックのケースも「働き方改革」ではなく「働かせ方改革」なのです。

  1. 仕事の仕組み化、ツール導入によって、個々の生産性を高める。
  2. 副業の導入や評価方法の適正化によって収入を増やす。
  3. フレキシブルな働き方を導入して生活の満足度を高める。

こういう環境を企業が積極的に導入することによって、結果的に企業の業績も高くなる。こういうアプローチこそが「働き方改革」です。

企業の業績を伸ばすにはどうすれば良いか、コストを削減するにはどうすれば良いか、という事業観点から考えることはもちろん大切です。

しかし、働き方改革については、このアプローチをしてしまった瞬間から、管理目線の制度にすり替わってしまいます。

何よりも大切なのは、働く人の目線です。

「働き方改革」アピールする企業を信用してはいけない。

「働き方改革の一環として◯◯を導入しました」とアピールしている企業をよく見かけます。(ググるとすぐに出てきます)

働きやすい環境を作ったことは良いことだし、企業のプロモーションとして全面に打ち出したい気持ちも分かります。

でも、僕はそういう企業を見ると、率直にこう思います。

「何で今までやらなかったの?政府に言われたからやっているだけ?アピールするなら一気にやってしまったら?」

というのも、働く環境を整えたり、新しい制度を導入することが、企業価値の増大に繋がると考えている会社は、働き方改革という言葉が生まれる前から自発的に行っているわけです。

なので、そういった企業からすると働き方改革アピールしている企業は不思議で仕方ないはずです。なぜなら、働きやすい環境を作ることは「当たり前」のことだからです。

つまり、意識の時点で大きな差があるわけです。この差は、年数が経てば経つほど広がっていきます。例えば、3年後の日本を想像してみて下さい。

政府の言う通りに「働き方改革」を進めた企業と、自発的に新しい働き方や制度を導入している企業、どちらが「理想的な働き方」に近づいていると思いますか?

前者の企業は一気に増えますが、自発的でなく本当の目的も理解していない可能性もある。前述の「働かせ方改革」が蔓延する結果になることが容易に想像できますよね。

考えただけで恐ろしくないですか?

そういう意味でも、働き方改革をアピールしている企業を信用してはいけないと僕は思っています。今いまの環境は良くなるかもしれませんが、急に方針転換するかもしれません。ご注意を。

▼参考になる本があったのでご紹介。ITコンサルのアクセンチュアは深夜残業や徹夜が当たり前だった労働環境を短期間で劇的に改善しました。目指すならここまでやって欲しいですね。